2011/12/13

阪急電車 〜片道15分の奇跡〜


主演:中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子
監督:三宅喜重


宝塚~西宮北口間を約15分で走る、えんじ色の車体にレトロな内装の阪急今津線。その電車に、さまざまな“愛”に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら、偶然乗り合わせただけの乗客たちがいた。後輩に婚約者を寝取られたOL。カレシのDVに悩む女子大生。息子夫婦との関係がぎくしゃくしている老婦人。セレブ気取りの奥様たちとの付き合いに疲弊する平凡な主婦。おしゃれな大学になかなか馴染めない地方出身の男女。年上の会社員と付き合いながら、憧れの大学を諦めきれない女子高生。電車内という限られた空間で、それぞれの人生がほんのちょっと重なり合い、影響し合い、そして離れていく…。(goo映画より)

最近邦画傾向にある私ですが、私のなかでは上位ランクに入る、とてもいい映画でした。
内容はとてもよかったけれど、配役がもうちょっといい人いなかったかなぁ、と。
個人的には孫役やってる子は生粋の関西生まれの子にやってもらいたかったです。

自分の中でも普段考えていることがいくつかの台詞となっていて、見ながら「うんうん」とうなづいていました。私の母は同級生のお母さんたちとは一回り違うので、自分の考え方は古くさいのかなと思っていたんですが、映画を見ていて、世間的には必要な考え方なのかな、と思いました。1人くらいこういう人間いてもいいのかな、と。

ポスターの通り女性のキャストさんが多いので、自然と女性視点の映画になっていました。なので共感が持てたのかもしれません。女性の方、必見です。

2011/12/12

テクノロジーアート 鈴木康宏さん

テクノロジーアート。
今日の特別講師は鈴木康宏さんでした。


まず最初に自己紹介から
・たまたま今の自分にたどり着いた
・自分でも特定して「 」と言えない
・どこにも所属していない
・優柔不断
・高校3年・・理系にいたけれど数学ができない(ピンチ1)
・逃げ道として美大へ 幼いころ実家のスーパーの道具で工作していたそうです
・美大でのデッサンの授業でショックを受ける 卓上で描くことには慣れていたけれど垂直な面に対して描けなかった



「話すことで、ワークショップをすることで、自分の振り返りになる」


鈴木さんにとって「話すこと」や「ワークショップをすること」は創作活動の一部だそうです。そういう切り出しからパラパラマンガの映像を見せていただきました。鈴木さんは小学生のときからポストイットを使ってパラパラマンガを描いていたそうです(ポストイットも当時は高級品だったそうです)。大学生になって改めて描いてみると結構描けることに自分でも驚き、描いていくうちに徐々にストーリー性のあるものを描くようになっていったそうです。ストーリー性のあるものをかくことで「言葉にならなかったものが言葉になる」パラパラマンガをめくっていくときがまさにその瞬間で、「言葉にならなかったものが言葉になった」瞬間、その言葉にならなかったものに意味が発生することに気づき、ものを作ることで言葉の意味を見いだしているそうです。そうやって作品のタイトルをつけているそうです。

メトロノームの作品をパラパラマンガで描いたとき、普通になってしまい、どうしようと考えたときに手前の紙に写った線をなぞってみると次の動きが見えるということに気づき、パラパラマンガを考えた人もこれには気づかなかったんじゃないかと思ったそうです。今まではパラパラマンガにストーリー性を持たせたものを描いていたけれど、自分の表現手法ではなかったこと、そして「裏を使う」という表現手法を発見したそうです。




「作品を作ったときのインパクトが大きいほど、次の作品への影響が大きい」ともおっしゃっていました。


大学3年、卒業することを考え、崖っぷちだと気づいたそうです(ピンチ2)。一線で活躍しないといけない!とわかっていたけれど、専攻していた家具デザインをもとに家具デザイナーになる気はなかったそうです。それでも卒制では「椅子の定義」として椅子が1つあることで空間が生まれることをテーマに作品制作を進め、椅子の影が音符(♪や♬)になることに気づき、回転する台の上にミニチュアの椅子を置き、一点から照明を当て、その様子をビデオカメラで撮影し、プロジェクターで投影するという作品を作成されていました。
なかなか美大の卒制の意味を理解するのは大変です・・・。

卒制でプロジェクターを使っていた流れで、『Global - Jangle』という作品を作成 され、オーストリアのLinzでのメディアアートのコンペに入選されたそうです。仕組みとしては日中ジャングルジムで遊んでいる子供たちの様子を撮影し、夜になってから、回転している状態のジャングルジムを面として使い、そこに撮影した映像を投影することで、あたかもそこに子供たちが遊んでいるように見える、という作品です。オーストリアにはジャングルジムがなかったため、道具をすべて持参し、現地で組み立てたそうです。この作品については3年間考え続けていたそうです。



・ものを作っておわりではない
・そこから何が生まれたかを発見、体験することまで考える
・どこにも所属していない=幼稚園の前の状態→自画像を描くじゃないけど自分の状況をスケッチしていた
・作品を作り続ける→社会(イベントや企業など)につながった
・社会性を考えて作品を作るのではなく、作品を社会につなげていく

このりんごのけん玉もmore Trees という森林保全活動をされている団体から発売されているものです。





話を聞いていると、鈴木さんが途中何度かおっしゃっていたように、自分自身を模索するために話しているんだなと感じました。講義という場ではあるけど自分が今に至る経緯ややってきたことを振り返りながらそのときどういうことを考えていたのか、「そうそう、それでね」と思い出しながら話されていました。なので話の流れは上がったり下がったりでした。
まだまだ模索中で、それを整理するための講義。
昨年は時間オーバーだったそうですが、今回も1時間半の講義では話しきれないほど、1つ1つの話にいろいろな想いが詰まっていて、作品を作るたびにいろいろな考えをめぐらせていらっしゃることが伝わってきました。

授業のあと、3年生や4年生が鈴木さんの著書の「まばたきとはばたき」を持ってサインをもらっていました。鈴木さんのスケッチが満載の本で、鈴木さんのようなテイストのスケッチは大好物なので欲しいなぁと思って帰りに丸善に行って探したんですが残念ながら見つかりませんでした。。。

2011/12/09

2011年度HCD研究発表会

昨日はHCD研究発表会で口頭発表させていただきました。
これで卒業に一歩近づいた・・・。

会場は後楽園駅の近くにあるビルの26階で、なんとなくいつもの感じ(2、30人くらいの部屋)かと思っていたら、東京ドームを見下ろす窓のある大きなホールでした。
着いたときはまばらだったのに、始まるときにはほぼ満席状態で、80人くらい(いやもっと多かったかも)いました。ビックリ…。



発表は予備審査のときの2倍の時間があり、予備審査で省いていた内容も含めながら話していたんですが、全然うまくまとめられていないことが、話しながら自分でもわかってしまいました。やってきたことを話すだけなのに、どうしてこうもうまい言葉が出てこないんだろう・・・。

○発表後の質疑応答での質問
・検証実験の目的と結果がない
・55歳から69歳までにした理由は?
・高齢者特性が調査協力者全員に適応できるわけではない。その対処は?
・特性を満たしている人と満たしていない人、その区別は?
・今後、その特性のことを踏まえて検証をするのか?

発表後に質問していただいたのは常磐大学の伊藤先生でした。名刺を頂いて、どこかで名前みたことがあるような・・・と思ったら『ユーザー工学入門』の著者の方でした。口頭発表が全部終わった後、伊藤先生に挨拶しに行ったとき「興味があって聞いていたのだけど、どうしても検証実験の目的が理解できなくて。とても面白い内容だから、ちゃんと話の流れがまとまっていればわかりやすい」「話を聞いている限り、焦点が散漫しているような気がする」と意見をいただきました。

おかげでモヤモヤしてたものが取れて少しスッキリしました。

あと、帰り際に先日の人間中心設計フォーラムで初めてお話しした和井田さんともお話できてよかったです。オープンラボの発表のときも質問されたんですが、やはり会社の中でHCD関連の活動をされている方からするとどうやってリクルーティングしているのかが気になるようです。「人脈を頼りに・・・」と答えて「大変だったでしょー!」と言う方と「うーん人数的にそれでいいの?足りないような・・・」と言う方と2通りに分かれるパターンが多いです。後者で攻められると・・・何も言えません。今はあくまで手法の提案が主で、本格的に手法を使って気づきを得るにはもっと人数が必要なので、それは今後(卒業後)やっていければと思います。

次は1月の京都での発表なのかな。。
京都に行くなら重森三玲の自宅庭園に行きたいなぁ。