2010/07/08

特別講義 _ 夏目知道さん

今回の講師はインテリアデザイナーの夏目知道さん。1989年から近藤康夫デザイン事務所で働いた後、1999年から独立して現在のナツメトモミチ事務所を設立されたそうです。今日は「インテリアにおけるデザインコンセプトとビジネス」というテーマでお話して頂きました。
デザインをする上で出てくる諸条件の中で突破口を見つける(見つけられる)ことはデザイナーにとっては嬉しいこと。特に一番重要なのが「目標」。クライアントやユーザーに「こんな有益なことがあるよ」ということを感じ取ってもらうことが大事。


実際に今までのお仕事を紹介して頂きました。









ナツメさんのデザインアプローチは、クライアントとの会話の中から諸条件の項目に対するキーワードをいくつか挙げていき、そこからコンセプトとなるキーワードを見出して目標として設定すること。人間中心設計でいうユーザー調査を念入りにやっているということかなと思います。
そのコンセプトとなるキーワードは、クライアントとざっくばらんに色々な話をして、「こういうふうにしてみたらどうか?」や「これは好きか?嫌いか?」といった質問を繰り返していくなかで、うっすらと、ぼんやりと見えてくる時があるそうです。このキーワードを設定することで、デザインを進めていく上で色々なものの判断が楽になり、クライアントと共有するなかで1つの軸みたいなものになるそうです。

プロダクトやウェブはバージョンアップだったり改良を加える期間が早いけれど、インテリアをはじめとした“住”のデザインは1度作ったらそう簡単に改善を加えられない分野で、ある意味失敗が許されない分野。だからこそ、環境デザインにおいてはクライアントとの綿密な話し合いがとても重要で、ユーザー調査のような、クライアントが求めている本質的な要求を探り出すことがプロダクトデザインや情報デザイン以上に大切なんだということが伝わってくる講義でした。

 

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