2010/05/16

特別講義 _ 廣村正彰さん


特別講義2回目。今週は廣村正彰さん。
最新のAXISの表紙を飾ったばかり!表紙の写真より髪が短くなっていて、もっとダンディーになってました!パワポの押す係になって、目の前に座らせて頂きました。緊張!!!声がとても聞きやすくて、話が自然と入ってくる声でした。

廣村さんは田中一光さんから「僕の事務所に10年いれば伸びる」と言われて10年間お仕事された後、独立。でも田中一光さんとは考え方が自分とは違うとずっと思いながら仕事をされていたそうです。そう思いながらも本当に10年間働き続けるって…。でも研究室の友達も言っていたけれど、反面教師というか、自分とは逆だからこそ伸びる部分ってやっぱりあるんだろうなと思いました。

先生から「廣村さんはグラフィックデザイナーの10本の指に入る方」と聞いていたんですが、廣村さんはご自身を「コミュニケーションデザイナー」とおっしゃっていました。この意味も講義を聞いていてなるほどと思いました。


■講義テーマ「伝わるデザイン」

世の中には情報が沢山溢れているけれど、個人にしてみたら情報にも必要なものと不必要なものがある。昔のグラフィックデザインにおいてはとにかく強調させたもの(例えば商品名を連呼させていたなど)が主流というか、そういうものだと捉えられていた。しかし、強い主張だけでは伝わらないのでは、という考えが広がり始め、一方的に押し付けるのではなく、多くの人に共感してもらうこと(発火点)が大事。商品を出す側としては、共感すること、共感させることがヒットポイントとなる。


■どう「伝える」じゃなくて「伝わる」か

この「伝わる」というのは今日1日で何を記憶していたかとよく似ている。「伝わる=記憶した」という関係であり結果になったということ。
「伝える」ことだけを考えた場合、登山に例えるなら、頂上(ゴール)に向かって最短距離を進んでいけば伝えることは出来る。
しかし「伝わる」ことを考えた場合、「伝える」のように一直線には進めない。相手がどう感じ取るのかを色々な道を通って考えることが大切。それがクリエイティブになっていくこと。もしかしたら頂上に着く手前でゴール(目標とするもの)にたどり着くことが出来るかもしれない場合もある。


■ポストシンプル

今の時代の傾向はポストシンプル。
自然回帰から何か得られるヒントがあるはず。


■ことばと言語

ことばと言語は同じようで実は違うもの。ファッションも個々を表す1つのことば。船で使う旗信号も旗ことば。今読んでいるこの「字」も線ことばと言い換えることが出来る。

同じことばでも、「声ことば」は曖昧なものだけど、「字(線ことば)」は正確なもの。
例えば「約束」。
・声ことばの場合
 妻「今日は7時に帰ってきてね」
 夫「わかったよ」
→約束はしたけれど、存在はしない。
・線ことばの場合
→メールなど言葉が送られてくれば、「字」として存在することになる。



■走り書きのメモ。。

・脳のお話
左目は右脳、右目は左脳とそれぞれつながっていて、左目は感覚的なもの、右目は文字などの情報を読み取る力が強い。例えば美術館だったら絵画などは左側に、キャプションなどは絵の右側に配置していることが多い。
でもこれは右利きの人の話で、左利きは逆。左利きを右利きに直す人もいるけれど、無理に強制しないほうか良い。



■事例


日産自動車
・コンペで選ばれ、実際に廣村さんの作品が社内の壁に描かれている。
・700人収まる部屋や掘削作業を行う部屋、部屋だけでなく廊下も含め、社内全体が一筆書きで繋がっている。
→共通の意識を持つことが出来るデザイン



丸井 北千住 食遊館
・レストラン街のサイン計画。
・漢字の一部をイラストに置き換えた文字を建物内の余っている壁に広げていった。
 →耳なし芳一作戦(壁が空いてたらマークつけちゃえ!)
・下に英語をつけることでオチがつくんじゃないかと考えた。
・ギリギリの所を狙う。(麺という字の面の部分をラーメンに置き換えてみたり)
・色を守る
小学校の頃から漢字が大好きで、象形文字とか自分なりに勉強したことを思い出しました。漢字の奥深さって考えれば考えるほど楽しい^^



竹尾 湾岸物流センター
・出来た紙をトラックに積み込む場所を依頼された。
・7mという高さを活かし、ストライプの線をつけることで層のイメージと高さの感覚を掴むことが出来る。



横須賀美術館
・横須賀の海を一望出来ることから、ロゴマークだけれども海の写真を取り入れた
・メインは「横須賀くん」で、階段やエレベーター、公衆電話、ロッカー、方向指示など、館内のあちこちに横須賀くんがいて、行動(?)や何の部屋なのかを教えてくれている。



9h nine hours
・従来のカプセルホテル=小さいテレビ、書くスペースがあるのかないのか微妙な机、ひっそりと置かれている冷蔵庫
→ホテルが縮小していった結果がカプセルホテルだけれども、概念(中身)は同じなのにどんどん貧しくなってきている
→従来のカプセルホテルを一新
・9h=1h(寝る準備)+7h(睡眠)+1h(身支度)
・プロダクトをMIYOSHIの石鹸繋がりから柴田さんに依頼


全部で12作品も紹介して頂きました!
どの作品も最後まで丁寧に仕上げてある完成度が本当に素晴らしいなと感じました。特に丸井のサイン計画の文字達は、どれも遊び心がありつつも、言葉の意味がきちんと表現された形になっている完成度が高いと思いました。実際に写真で撮ってみたりもしていて、「冷」の字にソフトクリームという組み合わせがかわいかったです。


今日のお話を聞いていて、先生の言う「学び続ける・作り続ける・つながり続ける」ことって本当に大切なんだなと思いました。デザインは1つの道を極めていくだけじゃだめですね!でも今(修士)はとりあえず1つに突き進んでいきます。無理して色んなことに手を出したら、中途半端になってる自分が目に見えているので(笑)


毎回こういうお話が聞けるとやりたいことが沢山出てきちゃいますね。。。
でも今月は
・TOEIC!
・世界を変えるデザイン展に行く!
・修士のトライアルテスト!
・英会話!
をやります!!!

0 件のコメント:

コメントを投稿