2010/05/22

特別講義 _ 中川聰さん


今週の特別講義はtripod designの中川聰さん。講義前日にN.Y.から帰国したばかり!本当にこの講義のために帰国して頂いた感じです。ありがとうございます^^

最初はそのN.Y.でのお話。最初にシンシア・スミスさんとの1枚。シンシア・スミスさんはうちが今読んでいる「Designing for the other 90%」の著者の1人だったので、その方とつながりがあることにビックリしました。今Cooper-Hewitt Design MuseumではWHY DESIGN NOW?という展示会が開かれていて、その流れでトヨタのデザインショーケースで開催されているUniversal Design -世界の人々を笑顔にするデザイン展-も教えて頂きました。世界を変えるデザイン展に加えて行っておきたい展示会です!

何の展示会の写真かメモし忘れたんですが、、、
メリーランド大学の作品がとても良いデザインで、学校が郊外にあることから竹や廃材を再利用した作品がほとんどだったそうです。写真でしか見ていないけれど廃材には見えないくらいきれいに作ってあるのが伝わってきました。
「徹底的に最後まで作る」「美しさの研究」ことが大事だとおっしゃっていました。


そして今日の講義のテーマは「五感から発想するデザイン」。

・デザインイノベーションのエンジン


・東大や千葉工大は美大とは違うアプローチをしていかないといけない。
・Unexpected design
ー意外なデザイン
 ー期待値を越えるようなもの
 ー期待通りは普通
・ユーザーでも気づかないような違和感=intangible
→意外につながるのではないか?
・気づき→見立てる(Hypothesize)→五感につなげる
 例えば、材料に対して人がどう対応するか
・映像的評価、言語的評価、数値的評価という3軸を使って評価する方法を模索中
・日本人への音への美意識とは、1人1人が違う表現をするところ
 例えば「古池や 蛙飛び込む 水のおと」
 →ポチャーン、チャポーン、チャッポン…似ているが微妙に違う
 →相手に合わせず、自分の感じたままを表現することが大事!
・気になったものは何で気になったのかが分かるまで考えなさい
・ブランドの価値は不充足だけど満足度が高い部分に魅力品質の可能性がある
・サイン音:分かりやすく覚えやすい、計画的に作られた音(ex:警告音)
・ノイズ:使用する上で出てしまう想定外の音(ex:引っ掻き、きしみ、衝突) 
 →この想定外の音をデザインすることで製品の魅力を引き出す


今回の特別講義はワークショップ付きでした!

■WORKSHOP 01 _ 音を聞き分ける

○デジタル一眼のシャッター音

NIKON, OLYMPUS, CANON, Panasonic, SONYの5社のシャッター音を聞いて答え合わせ。
合ってたのは自分も使っているNIKONだけでした>< この問題を全問正解した人は今までにたったの2人しかいないそうです; デジタル一眼(大)とデジカメ(小)のシャッター音を、大と小の中間くらいの大きさのカメラに内蔵してテストしたところ、やっぱりデジタル一眼のシャッター音のほうが押した感じがするという意見が多かったそうです。 ○何の音か当てる ・Wiiのリモコン操作の音 ・MacのMailを送る時の音 ・いろはすをつぶす時の音 ・ドライヤー …など。ドライヤーしか自信もって答えられませんでした; ○音を聞いて形(2D)で表現する 音を聞いて思ったままの形をみんなで描きました。5回聞いてみんなで見せ合いっこしてみると、自分の描いていたものの共通点が見えてきました。比較することで自分のフォルムが見出すことが出来るっていう発見がすごい!


■WORKSHOP02 _ 音を針金で表現する 太さの違うアルミの針金を使って、音を聞いて思ったままを表現するというワークショップ。
色んな音があって、でもどこか1点に集まっているイメージで作りました。


ベートーベンの『運命』を聞いて作った形。「どうしよう!」って思った時の心境を表現してみました。足にどんどん運命みたいなものが絡んできていて、それがほどけたとしても通る道は曲がりくねっていて動きようがない感じです。

これはみんなの作品。


このワークショップは東大生にもやっているそうです。東大生は真面目に勉強してきて東大入った人が多く、デザインを知ってデザインやりたい人が沢山いるそうです。そういえば、去年のGマークのスタッフにも東大の人がいて驚いた記憶が。。で、東大生は美大生のようにデッサンが出来ないことがコンプレックスになっているそうです。でも中川さんのワークショップでは出来る出来ないは関係なく、ただ思ったままを表現して自分のフォルムを見つけ出すことを目的としているので、今では東大で一番人気の授業だそうです!確かに毎回こういうワークショップあったら楽しいだろうな。

出来上がったものをどういうイメージで作ったか発表。中には本当に似ているものがあって、中川さん曰く、そうやって人の傾向がわかったり、分類(?)することが出来るそうです。


■WORKSHOP03 _ シナリオビルディング

7枚の写真を見て話を作るワークショップ。

いきなりみんなで話し合うんじゃなくて、まずは個人でどういうイメージを持ったのかを書いていくことがポイント。いきなり話し合っちゃうと、話し始めた人がリーダーになりやすい傾向があるからだそうです。確かに!



懇親会でも弾丸トークの中川さん^^

中川さんにとってデザインとは自分の行為だそうです。中川さんはメディアに出ないようにしていて、なぜかというとメディアに出たらあとは落ちていくだけだからだそうです。カンボジアなど、デザイナーが行かないようなところに行くようにもしているそうです。
先生としばらく仕事のお話をされていたのをずっと聞いていたんですが、とにかくたくさんのプロジェクトをやっていて、世界のあちこちで活躍されているパワフルな人だということが伝わってきて、行動力に関して先生以上にすごい人を初めて見ました。

車がとても大好きで、15台も持っているそうです!
「お気に入りは何ですか?」と聞いたんですけど、どういう車かわからず…。

中川さんは期待学を研究されていて、また不安にも興味があるとおっしゃっていました。私もreleafを作ったときは「不安と安心ってなんだろう」をずっと考えていたので、精神的な分野って未開拓でやりがいがある分野なんだろうなと思いました。

中川さんのお話を聞いていて、自分のやりたいことというかデザインの方向性がとても近くて、こういうデザイナーになりたい!って初めて本気で思いました。トライポッドで働きたいです!
でもそれにはTOEIC920点という壁が…!高すぎる!でも世界に通用していくには当たり前のことだと考えればやる気出ますね!

留学も上向きなので、頑張って英語マスターしないと!!

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