2010/06/03

Design Innovation _ 佐藤雅彦


今週のデザインイノベーションは佐藤雅彦さん。


■「ルール」という方法論

デザイナーを目指してデザイナーになったわけではないという経歴。デザインに興味はあるけど描けないからプロのデザイナーになるのは難しそう…と考えていて、最初は電通の営業に就職。でも仕事をしているうちに自分が好きなデザインがわかってきて、その好きなデザインというのが「枠」があるものだったそうです。
とにかく身近にある枠があるものを集めて集めて集めて…。そこから「全ての要素を枠の中に入れる」というルール(方法)に則って自分で枠ありのものをデザインしてみたそうです。

31歳で営業からクリエイティブ局へ。つまり31歳になってようやくデザインの世界へ。クリエイティブ局に移ったものの、すぐにデザイン出来るとは限らず、2年間は仕事なしだったそうです。その2年間、世界中のヒットしたCMを比較して、製品名を連呼すると覚えてもらえるというルールを発見した。


そのルールを使ったCMの例。


・NEC バザールでござーる
1991年のCM。…もう今から20年も前のCM!
ただのサルではなく、プロフィールもあるし、家族もいるサルにすることで、バザールという主人公を中心とした物語が感じられ、共鳴しやすい。Goal Direct Design(=ペルソナ)を使っている。



・サントリー モルツ
作詞作曲も佐藤さん自身が制作。



・サントリー PEKOE
佐藤さん直筆の絵コンテ。「PEKOE!」を単なるセリフとしてではなく、五感に訴えるのに必要な音として表現している。



湖池屋 ドンタコス
実際にメキシコで撮影!よーく見ると出店の名前がドンタコスになってたり、実際にドンタコスを売っていたりと細かいところまで凝っている。


「商品名を連呼する」というルールは出発点でしかなく、ディティールの完成度が高いことでヒットにつながっていくわけです。

PEKOE以外は見覚えがありました。むしろドンタコスのCMとかクラスのみんなで踊ってたし、モルツのCMもテンポがいいので思わず口ずさんでしまうし、バザールでござーるも、みんな言葉の最後に「ござーる」つけて話してた記憶が。15年ぶりぐらいに見たけれど、今でも鮮明に思い出せるということはバッチリ佐藤さんの意図にハマってたってことですね。


■トーン:ルールに変わる方法論

どうやったら面白そう、楽しそうに感じるのかを表現するためにトーン=感情を入れる。
たとえば、しずる感を付けることでおいしそうに感じるように、ディティールを進化させていくことが大切。


■人とは違う手法を使う=人とは違うアウトプット

人と同じやり方ではアウトプットも同じになってしまうので、見方を変えて人とは違うルールを発見する。オリジナリティに近い話です。



人とは違う手法…まさに修士研究です。
今は自分の立ち位置を把握することが中心なので自分を軸にして考えているけれど、時には軸から外れて客観的になり見方を変えながらオリジナルの手法を追求していきたいです。

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